診療の合間に「あれ、発注しておいて」と頼んだはずなのに、数日後に確認すると誰も手をつけていない。クリニックや歯科医院の院長なら、一度は経験のある場面ではないでしょうか。これはスタッフの意識が低いからでも、院長の伝え方が下手だからでもありません。院内の指示の多くが、口頭で、手が離せない状況のまま交わされ、「誰に・何を・終わったか」がどこにも残らないことが原因です。この記事では、少人数の院内で指示が抜ける理由と、診療を止めずに頼んだことを確実に返ってこさせる仕組みを整理します。
一般的なオフィスと違い、クリニックでは院長もスタッフも、一日の大半を患者さんの対応に使っています。そのため業務の依頼は、診療と診療の間や、器具を片付けながらの一言といった「お互いに手が離せない瞬間」に口頭で交わされがちです。
どれも誰かの怠慢ではなく、診療が最優先という現場の性質から自然に生まれるものです。だからこそ、注意や声かけを増やしても根本的には解決しません。
指示が記録に残らないと、院長は確かめるために「あれ、どうなってる?」と聞いて回るしかありません。ところが、この確認には副作用があります。
スタッフからすると、自分が頼まれた覚えのない仕事について聞かれることがある。頼まれていた人にとっても、責められているように感じてしまう。院長は確認しただけのつもりでも、少人数の職場ではこの小さな行き違いが積み重なり、信頼関係に響いていきます。
必要なのは、聞いて回ることではなく、聞かなくても「誰に頼んで、終わったか」が分かる状態をつくることです。
院内の業務指示を確実にするために、分厚いマニュアルや新しい会議は要りません。一つひとつの依頼について、次の3つが残れば十分です。
この3つが揃えば、院長は診療の合間に依頼を残しておくだけで済み、スタッフは手が空いたタイミングで確認して対応できます。同じ時間に同じ場所にいなくても、指示が途切れないようになります。
この3つをそのまま形にしたのがシコミです。院長は「業務を割り当てる」から、担当スタッフと内容、必要なら期限を決めて送るだけ。スタッフのスマートフォンに届いた業務は、開いた時点で自動的に「既読」になり、対応が終わったら「完了」にするだけで院長に返ってきます。
院長の画面には、まだ見られていない業務(未読)や期限を過ぎた業務だけを絞り込んで表示できるので、「あれ、どうなってる?」と聞いて回る必要がありません。気にかけるべきなのは、返ってきていない業務だけです。
毎週の在庫確認や月末の書類準備のように繰り返し発生する業務は、一度ルーティンとして登録しておけば、その日になると担当スタッフに自動で届きます。院長が毎回思い出して頼む必要もなくなります。
なお、シコミはあくまで院内の業務指示のためのツールです。患者さんの診療情報は電子カルテなど既存のシステムで管理し、シコミには「誰に何を頼んだか」だけを残す使い分けを前提にしています。
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